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【第10回】 職場のレベルを上げたい

相談者
40代 女性

勤めている総合病院の外来部門のレベルを上げたいと考えています。

私の職場では、地域医療に力を入れている兼ね合いで、20年来通っておられるような地元の患者様が大半なため、馴れ合いから応対時には敬語を使わず、ため口で話すことが当たり前です。
また、待合室で患者様を1時間以上もの間待たせていても声もかけずほったらかしですし、問診から検査、診断まで効率よくすれば、半分の時間で済むことを、医師や検査技師とコミュニケーションを図ろうとしないため、患者様をやみくもに待たせています。
外来の看護職員全体が、患者様本位の看護を行う気持ちに欠けていることが多々見受けられます。

私は外来を束ねていますので、なんとか看護職員全員に患者様本位の看護を行う意識を植え付けたいと思い、勉強会などを積極的に行っていますが、参加する者も少なく、改善できておりません。
私の力不足もありますが、職員全員が前向きな気持ちを持って職を全うする、といった意識に変える方法はないでしょうか。
私は、この職場が好きですし、職員全員のことを大切に思っていますので、なんとかしたい思いでいっぱいです。

先生のアドバイス

自分の勤めている職場が好きで、職場全員のことを大切に思っている。だからこそ、職場のレベルを上げたいと思う。
それはとてもすばらしいことだと思います。職場の意識を変えたいと思うのも、職場を好きだから、一緒に働く人たちが大切だからですものね。

さて、こういった場合に大切なのは、「あなた自身がいかにみんなの憧れの先輩になれるか」にかかっています。

まず最初に、「もっと患者様を待たさずにすむはず」、「患者様とため口で話してはいけない」と、正しい理屈でみんなの意識を変えようと思っても、それはほぼ不可能なくらい難しいでしょう。
なぜなら、あなたの職場の人たちにも、その人たちにとっての正しい理屈があるからです。

「20年以上通ってる患者さんに、ため口をやめて敬語なんて、患者さんが冷たく感じてしまうわよ」なんて、みんな思ってるかもしれませんね。
人の行動は正しい理屈だけでは変わらないのです。

でも、あなたが率先してお手本になる良い仕事をして、それで喜んでいる患者さんがいる。
それを見た職場の人たちは、「あの人の仕事ってすごい!」と思うでしょう。
「あの人の仕事ってすごい!」、そう思ってもらえるような仕事をやり続ければ、自然とあなたのマネをする人が増えてくるでしょう。

発達心理学では「モデリング」といって、憧れの人や尊敬する人のやっていることは、大人が無理に教え込まなくても、子供が勝手にマネをします。
憧れの先輩、尊敬する先輩のいうことは、職場の人だって反発せずに聞くでしょう。
それこそ、職場の人たちが思わず感動してしまうような、患者さんが喜ぶ良い仕事を見せれば、嫌でもあなたのことを尊敬してマネをするようになるでしょう。

正しい理屈でいくら説得しようとしても、人は変わりません。人は、心、感情が動いて、初めて行動が変わるのです。

「家族は大切だから優しくしろ」といわれても、僕たちは忙しいとき、つい家族に優しくできません。
でも、僕たちは人情味あふれる家族の映画を見て感動したとき、家に帰って家族に優しくしようと思います。

「仕事に熱意を持ってやれ!」といわれても、冷めた心を自分で熱くするのは難しいです。
でも、仕事にかける熱い情熱を持った人のドキュメンタリーをテレビなどで観て感動したとき、自分も明日から良い仕事をして、熱く働きたいと思います。

人は感動したとき、心が動いたとき、何も説得しようとしなくても、勝手に良いように変わろうとするのです。
あなたの仕事への態度に感動した人たちは、きっとあなたと同じような仕事をしようとするでしょう。


職場の人たちが思わず感動してしまうような良い仕事、職場の人があなたのマネをしてしまうような良い仕事、ぜひやってみてくださいね。
そして、正しい理屈ではなく、あなたの中にある看護職への熱い思い、職場の人に伝えることができると良いですね。

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中越裕史先生

中越裕史

やりたいこと探し専門心理カウンセラー

1979年生まれ。大阪府大阪市在住。
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー
社団法人日本産業カウンセラー協会認定 産業カウンセラー
大学卒業後、リフォーム会社、営業代理店を経て猛勉強のすえカウンセラーになる。

天職探し心理学・ハッピーキャリア

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